ERな人 VOL.49 千葉 明子 (EYEON GENERAL STOREオーナー)
ERな人 VOL.49 千葉 明子 (EYEON GENERAL STOREオーナー)
photo, text, edit by NAOKI KUZE
1906年に創業したアメリカンワークブランド”SMITH’S AMERICAN”(以下スミス)。1970年台に日本で流通するとリアルワーカーからアメカジフリークまで、ジャンルレスに様々な人々に愛され続けてきたブランドです。このウェブマガジン「ERな人」では、そんなスミスを身にまとった現代で様々な役割を持ち活躍する”ERな人”達の仕事やライフスタイルをご紹介していきます。
逗子・葉山駅を出てすぐの橋を渡った先に店舗を構える”EYEON GENERAL STORE”
ー前職はアパレルに勤められていたそうですが、なぜワインショップを始められたのでしょうか?
千葉 明子 (以下千葉): 前職はセレクトショップでVMDの仕事をしていたんですけど、多少の波はあるにしても日々同じことが繰り返されていく日々を過ごしてきたんです。私の中では長年勤めてきたこともあって「もうやり切ったかな」という思いにシフトしていってたんですけど、同時にいつか自分でお店をやってみたいなとも思うようになっていて。でも何のお店をやりたいのかっていう答えは導き出せていなかったので仕事は辞めずに続けていたんです。するとたまたま知人からここの物件を紹介してもらえるタイミングがあったんです。私は昔からワインが好きで良く飲んでいたし、ワインショップにも足を運ぶことも多かったんですけど、逗子に住んでいて自分の家の近くでなかなか自分が好きなワインが買えるお店がないなって思っていたので、これはひょっとすると良い縁を頂いたんじゃないか?って思ったんです。ワインショップを自分でやってみたいな と。それにその頃はVMDの業務の他にファニチャーブランドの雑貨のバイイングも兼務していたんですよ。家の空間が潤うと心が豊かになるし、私は大好きな雑貨に囲まれて大好きなワインを飲むと心が豊になるので、私のお店ではそんな提案を出来るようになりたいなと思って「ワインと 雑貨を売るお店にしたい」っていう具体的なアイデアも出てきたので「これはもうやるしかないな!」と踏み出す決心をしたんですよね。
ー長年アパレルで勤められていたとのことなのでお店で取り扱うものがアパレルじゃないのは意外ですね。
千葉: 仕事でアパレルとは長年向き合ってきていたし、職種もVMDだったので洋服を作るっていうことはしてこなかったからですかね。だから仕事以外のところで楽しめるものがワインや雑貨だったので、お店で扱うものは自然と”ワインと雑貨”に行き着きましたね。
ー実際にお店をオープンするまでどれくらいの期間で準備をされたんですか?
千葉: 2022年8月にこの”EYEON GENERAL STORE”をオープンしたので準備期間は約半年ほどですね。物件を紹介してもらったのは2021年12月だったんですけど、年明けの1月には会社に「辞めたいです」って伝えて4月に退社したのでお店を開くって決心してからの動き出しは早かったですね(笑)。
ーお店を作るにあたってどんなことが一番大変でしたか?
千葉: 何よりも一番大変だったのは”酒販免許”ですね。時間がない人は税理士さんにお願いして作ってもらう人も多いみたいなんですけど、調べてみたら自分で出来なくもなさそうだったので自分やってみようと思っていざやってみたんですけど、提出書類が膨大すぎて大変でした(笑)。”酒販免許”がないとワインの販売ができないから必死でやったんですけど、”酒販免許"は税務署管轄なので、ちゃんと決まり通りに事を進めないと免許が取得出来ないんですよ。結局お店のオープンの 1週間前にギリギリ”酒販免許”を取ることが出来たので、無事にお店でワインを販売することがで きるようになりました。
ー”EYEON GENERAL STORE”を開くことは大きなターニングポイントだったと思いますが、 オープン前と比べてどのような変化を感じますか?
千葉: まさに脱サラ転職ですよね(笑)。完全に1人で運営しているので大変なことはいっぱいありますけど最初に来る感情は”楽しい”ですね。ワインはもちろんですけど、雑貨の仕入れもやらなくちゃいけないからお金を回さないといけないし、販売も自らしないといけないし業務量はとても多いけど、自分の好きなことを仕事にすることが出来たから全く苦になることはないですね。
ヴィンテージのグラスや雑貨に加え、オリジナルのワイングラスやアロマオイルまで 千葉さんらしいラインナップのグッズ達。
ー”EYEON GENERAL STORE”のこだわりを教えてください。
千葉: インタビューの冒頭でも少し話したんですけど、心を潤して豊かに出来るようなモノを提案したいから、目を向けてくださいねって意味を込めて”EYEON”って名前をつけたんですけど、完全に私目線ではあるのですが、私が「素敵だな」と思うワインや雑貨しか置いていないことがこだわりですね。美味しいワインを飲むと私は超幸せになるんです(笑)。だからお店にラインナップしてるワインは国にこだわったりはしていなくて、単純に私が飲んで「美味しい~」と思った銘柄しか置いていないんです。そうじゃないとお客様にワインそれぞれの魅力をお伝え出来ないです し。