ERな人 VOL. 77 ENZO (BYTEN 店主 / SO GOOD ISLAND)
ERな人 VOL. 77 ENZO (BYTEN 店主 / SO GOOD ISLAND)
photo, text, edit by NAOKI KUZE
1906年に創業したアメリカンワークブランド”SMITH’S AMERICAN”(以下スミス)。1970年台に日本で流通するとリアルワーカーからアメカジフリークまで、ジャンルレスに様々な人々に愛され続けてきたブランドです。このウェブマガジン「ERな人」では、そんなスミスを身にまとった現代で様々な役割を持ち活躍する”ERな人”達の仕事やライフスタイルをご紹介していきます。

大阪・桜川駅すぐの立地に”へのへのもへじ”が強烈なインパクトを放つお土産屋”BYTEN”
ー大阪・桜川にこのBYTENがオープンしたのはいつ頃でしょうか?
ENZO: 2023年9月にオープンしたので、今2年目を迎えました。
ーそれまではファッションやモデルのお仕事されていて、BYTENを始める前はアメリカで活動をされている中で、どのようにしてお土産屋をやろうと構想されたんですか?
ENZO: まだアメリカに住んでいる時に、このビルが空いたって情報を聞いて、漠然と「なんかやりたいな」みたいなんがあって、とりあえずビルだけ思い切って借りことにして。お土産屋っていうコンセプトは、人から人へギフトで渡せるような商品を販売したいなって考えるようになり「お土産屋でいこう」っていうのはビルを借りた後から決めたんですよ。そっからは早くて、1ヶ月ぐらいでオープンまで準備してって感じで内装も含めて結構早かったっすね。
ーどのタイミングでアメリカから帰国されたんですか?
ENZO: ビルを借りた時はまだアメリカにいてましたよ。だからコンセプトが決まるまでは空家賃払ってて(笑)。お土産屋をやるって決まってからすぐに日本に帰国したんですよ。
ー帰国してからBYTENオープンまでの期間が早すぎて驚きました。アメリカでもお仕事をされていらっしゃったのにすごい決断ですね。
ENZO: そうっすね。アメリカ生活はめっちゃ楽しかったけど、もうそろそろ、生活がちょっと大変になってきてたのも正直あって。このタイミングで日本に帰るのもええんかなって。8年ぐらいアメリカで生活してきたし、一旦ちょっと区切ろうかなって感じで。
ー今までファッションを中心に国内外で様々な活躍をされてきた中で、”お土産屋”って言うのは業種としてもかなり今までと違った働き方だと思うんですが、オープンしてみていかがでしたか?
ENZO: いや、バリ大変大変(笑)。正直舐めてたところもあるけど、コンセプトが人と違うことをやれてるから、たくさんメディアに取り上げてもらったりと注目はめっちゃされやすかったし、めっちゃくちゃアイディア面白いねって周りの評価も高かったから、そういう点ではスタートはちょっと強くいけたかなっていうところはあるかな。あとは、めっちゃお店やって良かったと思ってるかな。めちゃくちゃ人と出会えたしね。
ーBYTENの看板商品といえばやはり”JAZZおかき”だと思うんですけど、どのようにして生まれた商品なんですか?
ENZO: アメリカで友達にヴィーガンとか、そういう健康志向というか、健康に対して意識が高いような友達が多くて。それでおかきってお米で出来てるからヴィーガンの人でも安心して食べることが出来るし、僕自身が仕事で日本に帰った時に実際にお土産としておかきを持って帰ってて。色々日本の食べ物をお土産として友達にギフトしてきたけど、1番ウケが良かったのがおかきやったんですよ。そっからスタートしただけなんです。このBYTENから色んな日本を表現できるようになれたらなと思ってて。だからおかきが1番最初のクリエーションとして出したみたいな感じですね。で、JAZZが聴けるっていう仕組みは、僕がJAZZ好きで、JAZZっぽいおかきって無いよなって思い付いてしもた感じですね。
ーBYTENの看板商品といえばやはり”JAZZおかき”だと思うんですけど、どのようにして生まれた商品なんですか?
ENZO: アメリカで友達にヴィーガンとか、そういう健康志向というか、健康に対して意識が高いような友達が多くて。それでおかきってお米で出来てるからヴィーガンの人でも安心して食べることが出来るし、僕自身が仕事で日本に帰った時に実際にお土産としておかきを持って帰ってて。色々日本の食べ物をお土産として友達にギフトしてきたけど、1番ウケが良かったのがおかきやったんですよ。そっからスタートしただけなんです。このBYTENから色んな日本を表現できるようになれたらなと思ってて。だからおかきが1番最初のクリエーションとして出したみたいな感じですね。で、JAZZが聴けるっていう仕組みは、僕がJAZZ好きで、JAZZっぽいおかきって無いよなって思い付いてしもた感じですね。
ー絶対に”JAZZ×おかき”は他所には無い組み合わせです(笑)
ENZO: ふふふ絶対に無い(笑)。
ーJAZZおかきの”おかき”はすべてオリジナルフレーバーですが、ファッション畑だったENZOさんが”おかき”をどのように開発されたんですか?
ENZO: 好きなおかき屋さんが何社かあって、で、そこに直談判してその人たちと一緒に共同で作ってる感じで。各工場でそれぞれの良さがあるから、味によって各社使い分けてて。でもレシピは未だに僕が持ってる。
ーフレーバーがすべてJAZZプレイヤーの名前なのも最高にCOOLですね。
ENZO: 僕のJAZZレジェンドのイメージで作ってます。
ーこのフレーバーにはこのJAZZプレイヤーにしようという感じで決めているんですか?
ENZO: いや、どちらかというとプレイヤー先行からの味を考える方が多かったりしますね。

歯応えのあるカリッと香ばしい七味フレーバー ”MILES”
柔らかくサクッとした食感の短冊型マヨネーズおかき “MASAYOSHI”
雨の日より秋の晴れた日のビル エヴァンスのからインスピレーションを得た軽い塩味 “EVANS”
薄口醤油と南高梅とザラメで仕上げた甘酸っぱいおかき “COLTRANE”
牛そぼろ煮を練り込んだサクサクおかき “ART”
Big Bagもラインナップされている。
ーどれもおすすめだとは思いますが、あえての質問です。ENZOさんの個人的なお気に入りは?
ENZO: 強いていうなら僕はMILESが1番最初に作ったやつなんで、思い入れもあって好きかな。MILESを開発した時も「うわ、これ1番売れるわ!」みたいな。けど、毎回月の最後1番余ってるす(笑)。自分と思ってないところのものがよく売れるっていうのはこういうことかって(笑)。
ーJAZZおかき以外にもオリジナルグッズやセレクトされたアイテムが並んでますね。セレクトアイテムはどのような観点でピックアップされているんですか?
ENZO: もう今は引退しちゃったんすけど、僕の実家が20年間ぐらいアメリカから輸入家具を仕入れたりする仕事をしてて、その関係で自分はアメリカ雑貨に囲まれて過ごしてきたんですよ。その幼い頃から見てきたもの、みたいな言い方があってるかな。そういった僕が見てきた物とか、カルチャーに通づるアイテムを自然とセレクトしてる感があるかな。でも、最近ヨーロッパのものが結構増えてて、アメリカ全然ないやんみたいな(笑)。いや、俺は一体何を見てきたんやろみたいな瞬間はあるんすけど(笑)。多分最近はパリとか行く機会もあったり興味がヨーロッパに向いてるっていうのもあるのかも。あとは、僕の彼女が作家で、IKU SASAJIMAって言うんですけど一緒に、BYTENを手伝ってくれていて、それこそJAZZおかきのパッケージのイラストとかも実は彼女が書いてくれたんですよ。彼女が陶芸もしてて、それでお茶のセットとか陶器まで作ってくれてるんですよ。BYTENを始めた当初は、作家性の高いものあんま入れないでおこうと思ったけど、入れたら入れたで、BYTENにもめちゃくちゃフィットしてるからええなと思って。そういう彼女とのコラボレーション的なのもこれからもやっていきたいなって思てます。
ENZOさん独自のセンスが光るセレクトの数々。お茶の陶器はENZOさんの彼女・IKU SASAJIMAさんの作品。
ー店頭でカスタムチェーンステッチのサービスもされているんですね。
ENZO: そうっすね。チェーンスティッチのミシンはずっと持ってて、オープンした時からやるつもりではいたんですけど、いかんせん忙しすぎて全然時間なくて。でも今が1番やってるっすね。BYTENがオープンして1年ちょっとで今が1番チェーンステッチしてるかも。店頭では要望があればいつでもチェーンステッチ出来るし、最近はイベントで出張のチェーンステッチのサービスの依頼も増えてて、もうバチバチに決めてます。
ーカスタムチェーンステッチのサービスが出来るって珍しいですよね。
ENZO: 日本では意外と多くの人に知られてはないみたいなんですけど、チェーンステッチしてる人ってまあまあいて。みんな技術的には正直僕よりめっちゃ上手いんすけど、僕はJAZZでいうトランペッターのMILESみたいになりたくて。実はMILESって技術的にはトランペットが超絶上手っていうわけではなくて、どちらかと言うと味がある演奏をする人なんですよ。MILESにしか出せない味というか。せやから僕のチェーンステッチも自分にしかできない表現で戦おうかなと思てますね。
ENZOさんが手がけたチェーンステッチの巾着バッグ。店頭でいつでもオーダーが可能。
ーワークスタイルのこだわりについて教えてください。
ENZO: 僕、実は結構スミスのワークパンツずっと愛用してて。特にUSの白いワークパンツはめっちゃ穿いてて。さっき話にも出てた父親が、今は内装業なんかもやってて、このBYTENも父親と2人で内装も仕上げたんですけど、大工仕事とかもするから、ちゃんとワークパンツとしても重宝してますね。まず強さ、そしてツールポケットの位置が最高に良くて、一般的にペインターパンツ穿いてる人でツールポケットまでちゃんと使いこなしている人って少ないと思うんですよね。でも僕はリアルにハンマーを入れたりもするし、チェーンステッチをするときに針を収納したり。せやから作業の時はホンマにスミスを穿いてることが多いし、汚れたら汚れた分だけ素敵やな。
LES HALLES painter / cotton cordlane / charcoal
"SO GOOD ISLAND”の派生でENZOさんの妹さんがやっているブランド”SO GOOD SISTERS”用に製作されたパンツ。US製のスミスのペインターパンツをボディにチェーンステッチと手描きのドローイングが施された一点ものアイテム。
ー今後の展望を聞かせてください。
ENZO: 会社がSO GOOD ISLANDっていうカンパニーネームなんすけど、直訳で”めっちゃいい島”ってことなんですけど、日本をそんな風に表現できたらなっていう想いで作ったんですよ。BYTENを始めたことで今まで以上にいろんな形で、出会ったりする人も面白い人がホンマに多いから、そういう人らと一緒にコラボとかなんかやっていけたらなと思います。海外行ったりもしたいかな。金持ちになりたいね友達と。みんなで金持ちになりたいな。商売繁盛です(笑)。
ー海外でもイベントなどされるご予定は?
ENZO: 多分夏にLAに行くからPOP UPはやると思うんやけど、アメリカは8年住んでたから色々知ってしまってるからスタンプを押した感もあって。やっぱヨーロッパに行きたいな。パリのファッションウィークとかでおかき配ったりとかそういう話の方が面白いんかなって。「全然アメリカちゃうやん!」みたいな感じやけど(笑)
ENZOさんの学生時代からの先輩もJAZZおかきを買いに来店されていた。
ENZO @enzono1 @bytenshop
BYTEN 店主 / SO GOOD ISLAND
1995年大阪生まれ。アパレルメーカーやモデルの仕事を経験し渡米。8年間のアメリカ生活でアパアレルメーカーの海外担当を担った他、チェーンステッチの技術も習得。2023年に帰国後、大阪・桜川に「おいしいオカキ たのしいグッズ」がキャッチフレーズのお土産屋”BYTEN”をオープン。ジャパニーズカルチャーとストリートの感覚を融合させた独自のスタイルを発信。関西のリアルな空気感をベースにジャンルを超えたムーブメントを生み出している。
SO GOOD ISLAND https://sogoodisland.com