ERな人 VOL. 70 グッドウォーキン上田 歩武 (芸人・刺しゅう作家)


ERな人 VOL.70 グッドウォーキン上田 歩武 (芸人・刺しゅう作家)

photo, text, edit by NAOKI KUZE 

 

1906年に創業したアメリカンワークブランド”SMITH’S AMERICAN”(以下スミス)1970年台に日本で流通するとリアルワーカーからアメカジフリークまで、ジャンルレスに様々な人々に愛され続けてきたブランドです。このウェブマガジン「ERな人」では、そんなスミスを身にまとった現代で様々な役割を持ち活躍する”ERな人達の仕事やライフスタイルをご紹介していきます。

 

大阪・茨木市に位置する”the Farm UNIVERSAL OSAKA”
庭木・観葉植物・多肉植物など多種多様な植物を取り揃える植物園や緑に囲まれたカフェなど大人から子どもまで植物を愉しめるガーデンセンター。地元の人のみならず遠方からも多くのファンを魅了している人気スポット。

 

2025年春に10周年を迎える”the Farm UNIVERSAL OSAKA”では、
3/29302days10th ANNIVERSARY FESが開催された。多数のフードやマーケットの出店がイベントを盛り上げる。

 

オープン前から行列ができるほど入場を心待ちにする来場者の姿が。

 

オープンするとすぐにフードやマーケットには人だかりが。

 

he Farm UNIVERSAL10周年祭と、 SMITH'S x the Farm UNIVERSALの発売に併せてスミスも出店。
スミスブースでは芸人であり、刺しゅう作家のグッドウォーキン上田 歩武さんの
刺しゅうのカスタムオーダーができるスペシャルイベントを開催。

 

ー前回は約1年ほど前にご出演いただきました。

グッドウォーキン上田 歩武 (以下 上田): あっという間ですね。

今回は大阪・茨木市にある”the Farm UNIVERSAL OSAKA”(以下 the Farm)10周年イベントにて、スミスのブースにて上田さんとスミスがコラボレーションした刺しゅうのカスタムオーダーイベントが開催されました。

上田: 今回はあらかじめ4パターンの刺しゅうデザインさせてもらいまして、スミスのペインターパンツとキャップとハット、あとはエプロンに施す刺しゅうのカスタムオーダーをさせてもらうっていう内容で。

 

ー今回はモチーフを書き下ろしならぬ縫い下ろしでオリジナルデザインを4パターン用意されたようですが、モチーフはどのようにして決められたんですか?

上田: まず初めにこれやろう!って決めたのはthe Farmさんのロゴ刺しゅう。今回の企画をスミスさんからお話しいただいた時に、いくつかデザインしても良いとのことやったんです。ならロゴ物は絶対にやろうと思って1番初めに作りました。残りのデザインに関しては、正直the Farmさんに僕は来たことがなかったんで、ネットとかthe Farmさんのインスタとかを見て、空間の雰囲気とかを汲み取りながらイメージを膨らましたという感じで。植物園なので、もちろんですが植物モチーフの刺しゅうもやろうって思いましたね。そのほかはthe Farmさんには動物が結構いるんやなと。ヤギいたりとか、ウサギいたりとか。あと、ワンコ連れてるお客さんが、インスタを見てると結構見受けられたんで、犬のモチーフはデザインしたいなって思いましたね。犬種は結構迷ったんですけど、柴犬は日本でも海外の人も人気があるから決定かなと。そうなると個人的に大型犬もやりたくって、結局ハスキーも仲間に入れて4種類という感じでまとまりました。

 

ー確かに会場にたくさんのワンコを連れていらっしゃる方々がいますが、柴犬多めですね。

上田: めちゃくちゃ多いですね()

柴犬以外にもたくさんのワンコが会場に。

 

the Farmさんのロゴは元々がデッサンっぽい写実的なデザインなので上田さんの刺しゅうに落とし込むと独特のユルさが出て、先程仰っていた会場の温かい雰囲気ともマッチしていてとても素敵ですね。

上田: まあ、それは受け取り手に全て委ねます()。多分、僕がどれだけ一生懸命刺しゅうをやっても作風のユルさは消えないんですよね。僕のキャラクターも含めて、人間性も含めて、作風も含め、もう絶対ユルくなるんで。それがなんか良い感じにこのthe Farmさんに溶け込んでくれたのであればいいなとは思いますね。

ー普段はキャップに刺しゅうをされることがほとんどで、ペインターパンツやエプロンなんかは普段刺しゅうをするボディとしては珍しいと思うのですが、サンプルを刺しゅうした際のエピソードなど聞かせてください。

上田: エプロンは比較的刺しゅうしやすかったんですけど、ペインターパンツがめちゃくちゃ大変でした()

ーどのあたりが大変でしたか?

上田: シンプルにスミスのペインターパンツの生地もめちゃくちゃしっかりしてたんで刺しゅう針がなかなか通し辛いし、パンツの筒の部分に、手もちょっとぐっと入れないとダメなんですよ。裾はまくり上げて刺繍したんすけど、シンプルに手が届きにくく動かし辛いし、11針通すのがいつものキャップと違いパワーが必要で大変でした。しかもデザインした刺しゅうの面積もちょっと大きくなってしまって打ち込む回数も多し自分で自分の首を絞めてしまうという。でも結果としてスミスのワークパンツとしてのクオリティーの高さを肌で感じることにもなりましたね()。このインタビューを読んでくれてる皆さん、スミスのパンツはめちゃくちゃタフやからなかなか壊れませんよ!ホンマに長く穿けますわ()

 

ー上田さんから思わぬ形でお墨付きをいただきました()。その他に刺しゅうのこだわりポイントはありますか?

上田: 刺繍の位置ですね。ペインターパンツのカスタム刺しゅうに関してはTシャツとかシャツはもちろんなんですけど、アウターを着てても見えやすい位置に刺しゅうをしたんですよ。ポッケの刺しゅうとかってアウターとか羽織ると結局見えないじゃないですか。だからオーバーサイズのトップスを着ていても刺しゅうが見える位置にしたんです。コートなんかを着ない限りはどんな着こなしでも刺しゅうが楽しめるように位置もこだわりましたということは是非伝わると嬉しいですね。

ー冒頭でもthe Farmさんに初めて来られた仰っていましたが、会場や10周年イベントの雰囲気はいかがですか?

上田: ピクニックに来たかのような温かい感じがしますね。僕はPOP UPイベントなどを開催する時って基本的にアパレル系のショップとかが多いんで、基本的に音楽流れてるんすよ。それこそ古着屋さんとかやとロックやったり、百貨店とかやと百貨店の曲とかインフォメーションのアナウンスがひっきりなしで流れてるんです。でも今回は緩やかなBGMが掛かってはいるものの、ホンマに自然の風の音とか、植物がそよぐ音とかを感じられてめっちゃ新鮮やなと思ってたところです。たまにはこういう自然を感じられる場所でイベントに参加させてもらえるの嬉しいですね。

ー約一年前と同じ質問で締めさせてください。今後挑戦したいことは?

上田: 現在挑戦中なんですけど、年初めにインスタで「今年は行ったことがない場所でPOP UPイベントやワークショップをやりたい!」って宣言したんですけど、ありがたいことにたくさんの人からお声がけいただいてて、週末の予定に関しては今年は良い感じに埋まっていってる状況なんですよ。宣言をした時は47都道府県すべて制覇みたいなことも言ってたんですけど、ほぼ毎週地方に飛ばないと実現できないことに気付いて()1年では厳しいんですけど引き続き初めましての場所でイベントができたらと思ってるので気軽に声を掛けてもらえたら嬉しいですね!

吉本芸人であることも忘れるぐらい気さくに接客をし、会話を楽しむ上田さん。

 

 

グッド ウォーキン 上田 歩武 @goodwalkinueda

芸人・刺しゅう作家

19801112日生まれ。滋賀県出身。吉本芸人であり、刺しゅう作家。 大阪NSCに入学し、コンビ芸人・ピン芸人を経て上京。2015年に同期の良平とグッドウォーキンを結成。 その後、失恋をきっかけに刺しゅうに没頭するようになり、作品をSNSで発信し続け人気を集める。オーダーメイドや展示、企業とのコラボ等々、刺しゅう作家としての道も歩み始める。 2017年には手刺しゅうを施したキャップブランド「goodwalkin」を展開。 過去のワークには、コンバース、NEW BALANCEKANGOL6(ROKU)展示やPOP UPは、バーニーズニューヨーク、fukuoka two face、伊勢丹、FREAKS STOREなどで開催。

また、スニーカー好きが高じてスニーカー関連の仕事も行う等、幅広く活動している。

 

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なお、今回のイベントで展開した一部商品は期間限定でオンラインストアにて販売中です。一点物のハンドメイド刺繍の風合いをお楽しみください。

x good walkin hand embroidery store