ERな人 VOL.54 梶田 涼介 (WASH!PLAZA マネージャー)
ERな人 VOL.54 梶田 涼介 (WASH!PLAZA マネージャー)
photo, text, edit by NAOKI KUZE
1906年に創業したアメリカンワークブランド”SMITH’S AMERICAN”(以下スミス)。1970年台に日本で流通するとリアルワーカーからアメカジフリークまで、ジャンルレスに様々な人々に愛され続けてきたブランドです。このウェブマガジン「ERな人」では、そんなスミスを身にまとった現代で様々な役割を持ち活躍する”ERな人”達の仕事やライフスタイルをご紹介していきます。
ー”WASH!PLAZA”は元々、梶田さんのお父様の事業の一つだったようですね。いつ頃から”WASH!PLAZA”のお仕事に携わるようになったんですか?
梶田 涼介 (以下梶田): 2020年の春から父の会社に入社したので今年で5年目に突入しました。それまでは原宿の”BLACKANNY”というストリート系のインポートショップでずっとバイトしながら、キッズにダンスを教えていたんです。アングラのダンサーで食っていきたいって夢があったので、昼は洋服を売って、夜はクラブで踊ってって活動をしていたんですけど、金銭的にも体力的にもどんどん厳しくなっていったんです。それで将来どうしていこうかって悩んでいたそんな時に、父から「後継として働いてみないか?」って相談してくれたんです。それで僕も心機一転「お願いします!」という流れで父の下で働くことを決心して入社しました。
ー”WASH!PLAZA”をなぜ今のようなアメリカンな世界観でブランディングをしようと思われたのでしょうか?
梶田: 父の会社はコイン洗車場以外に、不動産賃貸、建設機械レンタル、車椅子や介護ベッドのレンタル販売など多岐にわたる事業を展開しています。でも僕は原宿の洋服屋でしか、まともに働いたことがなかったので何もスキルがない状態で入社してしまったんです。なのでサービス業上がりの僕が父の事業の中で1番親近感を持てたのがコイン洗車場だったんです。父のコイン洗車場は1996年から始めていて、元々は一般的なコイン洗車場だったんですけど、コイン洗車場としては集客があり、とても顧客の多い事業だということに気付いたんです。でももっと面白くできる事業なんじゃないかなとも思ったんですよ。それで僕が東京で培ってきたアメリカのストリートカルチャーやブラックカルチャーだったり、個人的にアメリカのレストランなんかのカンパニーグッズがとにかく大好きだったので、僕なりにコイン洗車場で表現してみようと思ったのがきっかけですね。
ーお父様に初めて企画提案された時はどんな反応でしたか?
梶田: 初めは「誰がこの洗車場のグッズ買うの?」って言われてしまい、かなり渋い反応でした(笑)。でもこういうのが面白いっていう確信が僕にはありましたし、やるからには誰もがアメリカ映画やラッパーのMVとかで観たことがあるようなCAR WASHにしたくて。父は半信半疑だったと思うんですけど、内装を派手にリニューアルさせてもらって、現在のような”WASH!PLAZA”の世界観にハンドルを切らせてもらいました。元々”ウォッシュプラザ鳥浜”って名前だったんですけど、特に看板なんかもない洗車場だったので、2020年の年末には今のキャッチーなグラフィックの”WASH!PLAZA”の看板に生まれ変わり、SNSを立ち上げ、HPもその新しい世界観にリニューアルしていった感じですね。
洗車後はWASH!PLAZA内に描かれたMURALの前でピカピカの車を撮影することが出来、アメリカの空気感を味わえるフォトスポットとしてユーザーにも好評だという。
ー最近はセレクトショップなどのPOP UPイベントにも積極的に参加されたり、ブランドとコラボレーションをされていたり、ファッション誌に取り上げられたり、流れが変わってきたなというタイミングはありましたか?
梶田: 僕が元々”BLACKANNY”にいたこともあって、”WASH!PLAZA”のアパレルも”BLACKANNY”にサポートしてもらったことから始めることができたんですけど、”BLACKANNY"の藤沢店で「POP UPイベントやらないか?」って声を掛けてくださったんですよね。実際にPOP UPイベントをやらせてもらったら、結果とても反応が良かったんですよ。それで「これはいけるかもしれないな!」って手応えを感じることができたんです。そこからローカルなお店や、ハンバーガーショップなんかでもPOP UPイベントをやらせてもらっていった流れで、昨年に”FREAK’S STORE”でコラボさせてもらったことで全国規模で注文が入るようになっていきました。この”WASH!PLAZA”の認知を広げるために2022年ぐらいから本格的にアパレルなんかも展開し始めたので、導入期間が終わり、これからは盛り上げていくタイミングに入ったのかなと感じますね。
WASH!PLAZA横のオフィスビルの一階にはオフィシャルのグッズストアを併設している。
店内にはオリジナルアパレルから洗車グッズまでCAR WASHにまつわるグッズが所狭しとレイアウトされていて、
この空間だけでもアメリカのショップの空気感を堪能することが出来る。
アメリカにいる友人にWASH!PLAZAのアイテムを託し、日常的にアメリカのCAR WASHでアイテム撮影や、リアルな内観・外観をリサーチしてもらいアメリカの空気感を常にWASH!PLAZAに落とし込むことにも余念がない。
ー最近では自主企画で”BLOCK PARTY”というマーケットとエンタメを掛け合わせたイベントも開催されいてるようですね。
梶田: 会社で土地を持っているのが強みなんですけど、父もそれでコイン洗車場を始めているんですよね。コイン洗車場の横にグッズストアの前の駐車場のスペースは普段テナント貸ししてるんですけど、日曜日はどのテナントさんもお休みで空いててずっともったいないなと思っていたんですよ。僕はダンサー上がりなので前から「パーティー出来ちゃうじゃん」って思ってたんです(笑)。工場に囲まれてていなたいし、アメリカの本場のブロックパーティーみたいに出来そうだなって始めたのがきっかけですね。イベントは2022年から”BLOCK PARTY”として開催しています。アメリカンな世界観にしたことでハーレーのカスタムショップとかピンストライパーの繋がりで、車やバイク関係だけでなくアパレルやアメリカ雑貨屋さんとの繋がりも増えてきてことで、この”WASH!PLAZA”でしか表現できないアメリカのローカルなフェスみたいなことをやってみようよって企画したのがきっかけですね。
ー”WASH!PLAZA”のマネージャーとして様々な施策を運営されてきましたが、企画立ち上げ当初から比べて、最近のお父様の反応はいかがですか?
梶田: 事業としてお金も動くことなので、父は初めは本当に不安がっていましたが、最近は「やってこいよ!」って感じで僕の活動を温かく後押ししてくれています。今回のインタビューもそうですけど、新しいプロジェクトで声を掛けてもらったりすると父も喜んでくれるので僕もありがたいですし喜んでくれることが嬉しいですね。
ー梶田さんが働く上でこだわっているスタイリングとは?
梶田: 本当に大好きなんでアメリカ感を出す!って感じですね(笑)。カンパニーグッズのプロモーションやマーケティング、ファッションってアメリカの方がサービスも人柄も大胆なんですよ。そのカルチャーが僕は好きで面白いと思っているので、僕もいかに日本人じゃない感を出せるかは常に意識していますね。カメラを向けられたらサングラスを掛けたいし、セキュリティベストも羽織りたくなるんですよ。ダンスをやっていたので人に”見せる・見られる”意識は常に高く持っていますし、”WASH!PLAZA”の表現としてブレずに貫く姿勢はファッションからも伝わったら良いなと思ってますね。今日穿いているペインターパンツも、”WASH!PLAZA”のテーマカラーでもあるブルーともマッチしていて、ユニフォームみたいに抜群に相性も良くて気に入ってますね。仕事柄タオルは常に持ち歩いているのでハンマーループに引っかけるのがちょうど良いんですよね。
LES HALLES PAINTER/ ROYAL
ー今後の展望について教えてください。
梶田: 国内に”WASH!PLAZA”を直営で3店舗ぐらい拡大し、アメリカにも進出したいですね。アメリカではCAR WASHのチェーンもとても多いので、ライセンスを売って拡大していくのもありなのかなと思っています。アメリカの”IN-N-OUT BURGER”並みの店舗数を増やせたら最高ですし夢がありますよね(笑)。現状でも横須賀のベースで働いているアメリカ人がグッズを買いに来てくれたり、渋谷でPOP UPイベントをやった時は海外旅行者が「Oh~CAR WASH♫」って気に入ってくれてグッズを購入してくれるので、国内はもちろんですが海外の方にもグッズを通して”WASH!PLAZA”をもっと知ってもらえたら嬉しいですね。
梶田 涼介
WASH!PLAZA マネージャー
アパレル販売、ダンサーを経て2020年よりWASH!PLAZAマネージャーに。アメリカのストリートカルチャーやブラックカルチャー、カンパニーグッズを偏愛し、WASH!PLAZAから独自のカルチャーを発信し続けている。
WASH!PLAZA オフィシャルサイト https://www.washplaza.info
WASH!PLAZA オフィシャルグッズストア https://washplaza.official.ec
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