ERな人 VOL.44 伊藤 忠宏 (伊藤商店)

ERな人 VOL.44 伊藤 忠宏 (伊藤商店)

photo, text, edit by NAOKI KUZE

 

1906に創業したアメリカンワークブランド”SMITH’S AMERICAN”(以下スミス)1970年台に日本で流通するとリアルワーカーからアメカジフリークまで、ジャンルレスに様々な人々に愛され続けてきたブランドです。このウェブマガジン「ERな人」では、そんなスミスを身にまとった現代で様々な役割を持ち活躍する”ERな人達の仕事やライフスタイルをご紹介していきます。

 


渋谷のファイヤー通り近くの老舗町中華天宝を目印に雑居ビルの4Fに店舗を構える渋谷T"

 

ー本日取材でお邪魔させていただいている古着屋”渋谷T”ですが、伊藤さんは立ち上げからディレクターを務められていたようですが、独立をされて現在オンラインショップ”伊藤商店”をメインに展開されていますが、独立をされたきっかけを教えてください。

伊藤 忠宏 (以下伊藤): “T”は元々高円寺から歴史はスタートしていて、そこから渋谷に移転して10 年ぐらいディレクターとして運営していたんだけど、だんだんとお店とは別に自分がやりたい古着屋の気分が変わってきてしまっていたんだよね。古着の方向性もそうだし、自分が得意なストリートカルチャーに寄ったことにも、もう少し取り組んでみたいな思ったり。そのタイミングで JOURNAL STANDARDからイベントのキュレーションのオファーがあって、それで自分はトモダチとか後輩のブランドをいくつかピックアップしつつ、ニューヨークの2000年代ぐらいのマニアックなブランドをフックにしたイベントをやらせてもらったんだよ。結構反応も良くて、もう1 度自分でイチからやってみようかな~って奮い立って独立することにしたんだよ。本当はお店を構えてやろうとしてたんだけど、コロナの影響もあって「お店いらないよな?」って考えが一転しちゃって、オンラインショップの伊藤商店を立ち上げたんだよ。

 

ーリアル店舗からオンラインに切り替えたことで環境も大きく違ってくると思いますがどのような変化がありましたか?

伊藤: 昔から時間があったらトモダチの店に顔を出したり気になる店やイベントがあれば足を運ぶようにしてて。要はじっとしてられない性格で。そんな自分が独立したタイミングでラフォーレのポップアップや音楽フェスに出店させてもらったりと、色んなところからポップアップなんかのイベントに誘われるようになって、今まではお店でお客さんを待ち構えていたんだけど、色んな場所に自ら乗り込んで行って新しい環境で初めての人と話したり、SNSで繋がっている人に会えたりするのは楽しいし性に合ってるなと。旅行じゃ行かないようなところにも仕事で行けるのも良いよね()。今まで一番遠くは北九州の小倉で出店したこともあるんだけど、今年は沖縄でやれたら良いなって思ってるんだよね。そんな感じで伊藤商店"5年ぐらいやってきた感じかな。

セレクトしたアイテムや古着のカルチャー的な側面まで魅力を余すことなくお客様に伝えていく伊藤さん。 話に熱が入りお客様の滞在時間も非常に長い。
 

ー現在は”伊藤商店”をメインに活動されながら古巣である”渋谷T”で特殊なカタチで戻ってこられたようですね。

伊藤: スーパーバイザーって形で去年の年末から2週に1回のペースで僕がキュレーションしたインディペンデントなブランドや物作りをしている人をゲストに招いてポップアップイベントをやらせてもらっているんだよね。

ーどのようなコンセプトを持ってキュレーションをされているんですか?

伊藤: 絶対大手の会社がやらないようなインディペンデント感は大事にしてて、昔一緒に働いた仲間だったり、トモダチや後輩のブランド、あとは当時店に来てくれてたお客さんが大きくなって始めたブランドだったり。まだ世にそこまで知れ渡っていなかったり、日の目を浴びていないけど面白い連中をいっぱい知っているので、そういう人たちのブランドや取り組みをフックアップするようなキュレーションを意識してるかな。それに自分がフックアップしているそういう子たちのブランドは共通して面白いしカッコ良いのにアウトプットが下手なことが多いんだよね。だから応援してあげたいって気持ちもあって。とはいえ渋谷T”は言っても個店だから大手の規模で物事を展開出来ないから、大手が真似できないような隙間を見つけて個店ならではのここでしか出会えない体験を提供できるように心がけていて。さらにそんなイベントに来てくれる子たちも面白いことをやっていることが多いから、そういう子とも新しく取り組みができたら良いなと思ってて。実際にスーパーバイザーとして取り組みを始めてから、そういったお客さんとの出会いから今後新しいことが始まりそうなこともあったりするんだよね。そうなってくると無限に色々出来 そうだよね()。実験ではないけど大手では絶対できないようなことをこの個店だから色々と試してる感じかな。だからこの場を借りて言わせてもらうと、面白いことやってる人はとりあえずイベントに会いに来てください!何かやりましょう()

 

取材の日にイベントを行っていたのはXL ARGEのクルーでもある3人組が展開する、 NYの街や人、もの、事を流行り廃りのないスタイルで表現をするオリジナルブランド”STANY"

 

アクセサリーブランド”in put out”のデザイナーであり、2023年に横浜野毛にオープンしたツバサ氏のショップ”ONTHE WAY STORE” 毎回伊藤さんならではのキュレーションにより招集されるブランドは個性派揃い。

 

 

ー伊藤さんがディレクターとして店頭に立たれていた”渋谷T”と、現在のように俯瞰してお店に立たれるのでは接客された時の印象も変わられるのではないでしょうか?

伊藤: 自分がやってた時と比べるとお店は全く別物だから自分の知らない新しいお客さんばかりだけど、古くから変わらず通ってくれる人もいるので良いミックス感を味わえてるかな。僕がイベントやってる時はそういう当時のお客さんに久々会えて嬉しいし、僕の知らないお客さんとの新しい出会いもあってめちゃくちゃ楽しいんだよ。

 

ー今後挑戦してみたいことを教えてください。

伊藤: こんだけ個店の話をしておきながらやってみたいことは真逆で、挑戦してみたいことっていうのを挙げると大手のセレクトでも古着屋でも良いんだけど、ディレクションをやってみたいんだよね()。叩き上げで今までやってきた人間が大手のフィールドでチャレンジすることって比較的少ないと思うんだけど、インディペンデントな環境でずっとやってきたからこそ培ってきた感覚を大手の規模感で尖った表現をしてみたいというか。このインタビューを見た方いつでもご連絡お待ちしてます()

 

LES HALLES PAINTER / ORANGE 

 

 

伊藤 忠宏 @mr_t_ito @mr.ito_store
伊藤商店 2008年に古着屋「T」を高円寺にオープン。ストリートに根ざしたセレクトが話題を呼ぶ。その 後、渋谷に移転し、ミュージシャンやファッション業界人などにもファンを拡大。現在は古着 や、自身が手がけるヘッドウェアブランド〈ギーク〉などをセレクトした、遊び半分のウェブ ショップ「伊藤商店」を運営。さらに不定期でポップアップストアも開催している。

ITO公式HP https://ito-store.stores.jp

 
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