ERな人 VOL.24 原 悠太 (WED STOREオーナー) / 幕 雄仁 (俳優)

 photo, text, edit by NAOKI KUZE

 

1906に創業したアメリカンワークワークブランド”SMITH’S AMERICAN”(以下スミス)。1970年台 に日本で流通するとリアルワーカーからアメカジフリークまで、ジャンルレスに様々な人々に愛さ れ続けてきたブランドです。このウェブマガジン「ERな人」では、そんなスミスを身にまとった 現代で様々な役割を持ち活躍する”ERな人”達の仕事やライフスタイルをご紹介していきます。

 

ー原さんは下北沢でたくさんのファン抱える古着屋”ウェッドストア”にて、オリジナルウェアの” ユエン”、そしてライフワークでもあるバス釣りから生まれたフィッシングギアブランド”コネット"を運営されていますが、俳優として活躍されている幕さんとはどのようにしてバス釣りをされ るようになられたのでしょうか??

原 悠太 (以下 原): ややこしいんですけど、僕の弟が雄仁のお兄ちゃんと同級生で、その繋がりで めちゃくちゃ仲良いわけではなかったけど、実家が2軒隣で近かったりでずっと友人ではあったんですよ。2020年にコロナが流行しちゃった頃に、家で暇そうにしてた雄仁に「今日夜釣りに行くけど一緒に行く?」って誘ったのがきっかけで一緒にバス釣りに行くようになりました。僕は小学校から釣りを始めて今に至るしブランドまで作ってしまうぐらい釣りにどっぷり浸かってるんですけど雄仁は釣りに誘うまではそんなにやってこなかったんだよね?

幕 雄仁 (以下 幕): 悠太君の言う通りで、誰かにもらったのか自分で買ったのかも覚えてない竿を 何故か一本持ってはいたものの全然釣りはやってなくて。で実際に悠太君の釣りにその謎の竿を 持って付いて行ったんですけど、僕の目の前で、悠太君がかっこいいギアでシーバスを釣り上げるところをまざまざと見せつけられたんですよ()!そうしたら僕もテンション上がっちゃって「や べえ!俺も道具揃えなきゃ!」ってなってすぐどハマりしたんです()。そこからは月に4~5回ぐらいは一緒に行く仲になりましたね。

: 僕がやってるコネットの新作やサンプルが出来たら必ず発売前に河口湖や芦ノ湖、近場だと多摩川でフィールドテストを雄仁に着てもらって感想を聞いたり、着用画像を撮影したりしているのでそれも含めると一緒に釣りに行く頻度はもっと高いですね()。釣りをやっている人じゃないと 撮影をする時も竿の持ち方とか、所作で「本当はやってないな」って見てる人にバレちゃうので、その点雄仁は家も近所だし釣りが出来る人になってくれたので今やなくてはならない存在です()

: だから最近は釣りに行ったら悠太君も事前に何も言わないんですけど、現場に着いたら「これ新しいやつだから着て」って毎回着替えさせられるんですよね()。釣りに連れてってくれるの嬉しいから全然良いんですけどね()

釣りに行く時は早朝3時頃に集合し、原さんの愛車ラムに乗って釣りスポットに向かう。

  

 
 5時頃に芦ノ湖に到着。この日のこの時間帯は他の釣り人はいなかった為、美しい湖畔に静けさが心地良い。
到着すると早速装備に身を包む2人。

 

準備も終わり釣りがいよいよ開始。すると幕さんの1投目がまさかのいきなりヒット!

幸先が良すぎるスタートで幕さんが約25cmほどのブラックバスをゲット!

 

原さんも釣りをスタート。 「雄仁が先に釣ってくれたお陰で今回のインタビューが成立するので安堵したのと同時に フィッシングギアブランドを運営している手前、自分も絶対に釣らなければ」 というプレッシャーが掛かっていたそう。

水面の上をルアーが静かに駆けていく。

途中バイトこそあるものの釣り上げるまでには至らず期待値が高まっていく原さん。

 

 原さん幕さんはともに 「プラグ(木やプラスチックを加工した小魚の形をしたハードルアー)でバスを釣るのがロマンなんです」と語る。

釣りを開始して1時間ほど経過した頃、原さんのロッドに確かな当たりが!

原さんも見事にブラックバスを釣り上げた。

 

ーお二人で釣りに行くようになって、特に思い出に残っている釣行を教えてください。

: それこそ僕は悠太君と初めて行った多摩川の夜釣りですね。

: 確かに。あの時は僕も忙しくてなかなか釣りに行けていない時期で、どうしても釣りがしたくて雄仁を誘って普段だったらやらない本当に家の目の前のポイントで釣りをしたんですよね。そうしたらシーバスってスズキなんですけど釣れたんですよ!確かに印象に残ってるかも。

: 僕はあの時めちゃくちゃビビりました。釣りって餌釣りだと結構釣れるイメージはあったんですけど、ルアーみたいに大きいモノを投げて「本当に釣れるの?」って思ってたのでルアーで大きな魚を釣るっていうイメージが全く出来なかったんですよ。しかも実家の本当に目の前だったので もうカルチャーショックで。そこからギアをガーっと集め出したんですよ!

ーご自身でそこからギアを集められたようですがすぐに釣れましたか??

: それが激しく燃え上がる釣り熱と釣果が全く比例していかなくて最初の数ヶ月全く釣れなかっ たんですよ。。。

: 普通はビギナーズラックで初心者は釣れることが多いんですけどどうやってモチベーションを保っているのか分からないぐらい雄仁は充実していく釣りギアと反比例して釣れていなかったですね()

: 釣れない日が続いても釣りに行くたびに色々と改善して突き詰めてやり続けた結果、初めて釣れた時は最高にブチ上がりましたね!個人的な成功体験としてもとても大きな経験でした。

釣れた後もポイントを変え夢中で釣りを楽しむ2人。

 

ー原さんは大好きな釣りをブランドとして運営されてみて3年経ったとのことですね。

: 僕自身洋服を仕事として初めて丸11年なんですけど、長くやっているとどうしてもクリエイティブにも慣れが生じてしまったりするんですけど、コネットを始めてからは釣りで本当に必要な機能性をファッションとして落とし込まないといけないし、自然と作るプロダクトにストー リーが落とし込まれるので今までと違った物作りへのアプローチが取れるのが本当に自分でやっていて楽しんで運営できているのでとても健全ですね。コネットが生まれたことによってもう一つのブランドのユエンのシンプルなアイテムを作るときの精度も上がっています。お互いのブランドが存在することでどちらもクリエイティブもブラッシュアップされていってるんですよね。

ー今後釣りを通してお二人でやってみたいことや目標はありますか??

: アメリカで釣りをしたいですね。コロナ前まではずっと古着のバイイングは全てアメリカで 行っていたもののバイイングをするので精一杯で、なかなか釣りを楽しむ余裕もなかったんですけど、今だったらコネットっていう釣りのブランドができたことでアメリカで釣りをするのも仕事として捉えることが出来るので、バイイングも含めてアメリカで釣りがしたいです。

: バス釣りが元々アメリカのカルチャーなので、本場で悠太君が作ってくれるギアを纏って釣りをするのは最高に気持ち良さそうですよね。

: あと僕はもう一つあります。コネットを始める前は古着でもフィッシングウェアをバイイングしてたんですけど、昨今の釣りブームの影響もあってフィッシングウェアが高騰してしまい、中々数を集められなくなってきた背景もあって、自分で納得のいく機能性を持ち合わせながら ヴィンテージにはありそうでない新しいフィッシングギアを作り始めたんですけど、単純にファッションアイテムとして街でも着てもらえたら嬉しいですし、やっぱり釣りの現場で釣り好きの皆さ んに着てもらいたいですね。なので将来的には上州屋さんとかみたいなガチな釣具屋さんにも カッコつけずに店頭にコネット"が並んでいるのは夢ですね。大量生産じゃないにも関わらず、な るべく誰でも手が届きやすいプライスに設定しているのはそういった理由もあるからなんですよ。

 

<原> キャップ (コネット) / サングラス (レイバン) / フィッシングベスト(コネット) / ボーダーTee (コネット) / シーサイドペインター (スミス) ¥9,000 / サンダル (チャコ)
<幕> キャップ (コネット) / サングラス (ルーカー バイ ネイバーフッド) / フィッシングベスト(アングラーズハウス) / フィッシングシャツ (コネット) / シーサイドペインター (スミス) ¥9,000 / サンダル (チャコ)

 

 

 

原 悠太 @wed_store
WED STOREオーナー 古着屋でありながら、古着の販売と同時にオリジナルウェアの製作、OEM事業など幅広く活動す るWED STOREのオーナー。オリジナルウェア"Yuan (ユエン)””Connett (コネット)”は不定期にリリースする度に熱狂的なファンを多く獲得し支持されている。

幕 雄仁 @yujinbaku
俳優
MV ”教祖誕生(Creepy Nuts)“ 主演、夜明けまでバス停である用務員、大河ドラマ 鎌倉殿の 13など、映画・ドラマ・MVなどに出演。映画 かかってこいよ世界2023825よりテア トル新宿他、順次全国公開予定。