ERな人 VOL.21 西田 景子 (Harlow ICE CREAM 店主)

 photo, text, edit by NAOKI KUZE

 

 

 

 

 1906に創業したアメリカンワークワークブランド”SMITH’S AMERICAN”(以下スミス)。1970年台 に日本で流通するとリアルワーカーからアメカジフリークまで、ジャンルレスに様々な人々に愛さ れ続けてきたブランドです。このウェブマガジン「ERな人」では、そんなスミスを身にまとった 現代で様々な役割を持ち活躍する”ERな人”達の仕事やライフスタイルをご紹介していきます。

 

 

 

 

ー”ハーロウアイスクリーム”を始められる前は東京でスタイリストをされていたんですよね?大きな方向転換だと思いますがそのきっかけを教えてください。

西田景子 (以下ケイコ): もともと私は神戸出身でファッションの専門学校を卒業し、20歳頃から 東京でスタイリストとして活動をしていました。当時交際していた現在の旦那さんが創作鉄板焼店 を地元・神戸で経営していたので、結婚を機に私も神戸に戻ることになりスタイリストを引退して 旦那さんの事業を手伝っていました。そこから 32歳の時にアメリカ・ポートランドへ旅行に行ったんですが、そこで運命的な出会いというか、ターニングポイントあったんです。ポートランドには沢山のアイスクリームショップがあって、その時に食べたアイスクリームが衝撃の美味しさで。 その体験がきっかけで「私もアイスクリームやりたい!」って思ったのがきっかけですね。

 

キッチンに飾られていたケイコさんがディレクション、スタイリングなどを手がけたハーロウアイスクリームのメインヴィジュアル。

 

ーそこから日本に帰ってすぐ “ハーロウ”を始められたんですか?


ケイコ: そうですね。割と早かったのかもしれません。ポートランドから戻ってからも、そこから 数回アメリカに飛び、ニューヨーク、 LAなど様々なアイスクリームショップを巡り研究を重ねた んですけど結果1年後には「ハーロウアイスクリーム」としてショップを立ち上げることが出来ました。立ち上げが2017年だったので本店となる神戸店は6年目で、本日お越しいただいた東京店も 6月に1周年を迎えることができました。

 

6月はネットフリックスシリーズ”ストレンジャーシングス”のドラマ内で登場するアイスクリームショップ ”スクープスアホイ“とオフィシャルでコラボレートし、ドラマにちなんだフレーバーを提供する 期間限定ショップを原宿に展開していた。

 

ーショップを立ち上げるまでが1年というのが驚きです。アイスクリームに対する熱量を感じます ね。地元・神戸に戻って活動をされていて、再び東京に進出されたのはどういった想いだったんで すか?

ケイコ: 9年間スタイリストとして東京で活動していたのでやっぱり東京は市場が大きいというこ とを把握していたことと、私が作ったアイスクリームを沢山の人に食べて喜んでもらいたいと思っていたことですね。ポップアップイベントやケータリングなどの仕事で東京には割としょっちゅう出てきていたんですが、ハーロウのアイスクリームを提供したときのお客様からの反応にも手応えを感じていましたし。そんな中で東京店をオープンする前に2020年に代々木八幡のインテリア ショップからオファーがありショップインショップ形式でお店を期間限定でオープンさせていただ いたんですが、そのプロセスを経て東京でもハーロウアイスクリームのオンリーショップを作り たいと決心させてくれました。

 

 

ケイコさん自らスクープしてくれたのは”チョコレート&ブラウニー”。ベトナム産の高品質なチョコレートを使用したアイスクリーム に、ブラウニーも自家製というこだわりの濃厚な味わいの定番人気のフレーバー。

 

ー”ハーロウアイスクリーム”のアイスのパッケージ、店内、マーチャンダイズやWEBサイトに至 るまで独自の落ち着きのあるポップなカラーリングで統一されていて、アイスクリームなのに非常にファッション性を感じるのですがその辺りのこだわりを聞かせてください。

ケイコ: ブランドの世界観にはとても気をつけていて、立ち上げる前に専門学校時代からの友人の紹介でニューヨークのグラフィックデザイナーに依頼して、ブランドガイドラインをしっかりと作り込めたことが大きいですね。お店で販売しているショップのマーチャンダイズも私自ら企画しているのですが、使用しているカラーリングなどはそのブランドガイドラインに基づいたパントーンを指定して製作しているので、そのこだわりもあって世界観をうまく表現できています。

 

前述のメインビジュアルを大胆にプリントしたTシャツ

グッズとしては初となるオリジナルボーダーソックス

 

 東京店のオープンに合わせて製作しマグカップ&ソーサーやアイスクリームに最適な足のついた皿など全てケイコさんの企画による ハーロウアイスクリームオリジナルのグッズ達

 

バターたっぷりでサクサクのワッフルコーンも毎日店内で焼き上げている。

 

ハーロウを構成する上で重要な役割を持つ自家製ワッフルコーンやカップのパッケージにもセンスが光る。

 

ースタイリストから一転、アイスクリームショップをはじめてみて一番楽しい時はどんな時ですか?

ケイコ: お客様に「美味しい」って言ってもらえることが最高なのはもちろんなんですけど、ともにお店を盛り上げてくれているクルー達が楽しそうに働いているところを見ているのもとても幸せな気持ちになります。あとは個人的なところだと私は編み物などクラフト全般大好きなので、 黙々とアイスクリームを作っている時間が楽しいですね。

 

ハーロウアイスクリームでは毎月新しいフレーバーを開発している。

 

デニムペインターパンツ (スミス) ¥17,600 / スニーカー (ナイキ × サカイ)

 

ー確かに”ハーロウアイスクリーム”のフレーバーは他では味わえないオリジナリティあふれるラインナップなので、ケイコさんのクリエイティビティが非常に伝わってきます。

ケイコ: そう言っていただけることは多いのは、私自身がパティシエなどの経験をしてこなかったからだと思うんですけど、そのおかげで先入観なく意外な食材同士の組み合わせのフレーバーを 思い付くことが出来ているからだと思いますね。

 

ー今後の展望について聞かせてください。

ケイコ: “ハーロウアイスクリームをずっと続けていきたいです。色々なことにチャレンジしつつも流行りには流されず、様々な年代の方に親しみやすいアイス屋さんとして続けていきたいです。 そして日本一美味しいアイス屋さんと言ってもらえるように頑張り続けたいですね。

 

 

西田 景子 @harlow_icecream


Harlow ICE CREAM 店主
201711月に地元・神戸に”Harlow ICE CREAM”をオープン。20226月に2店舗目となる”Harlow ICE CREAM TOKYO”をオープン。天然素材の原材料を厳選した様々なオリジナルフレーバーだけでなく、乳製品を使用しないヴィーガン仕様のアイスクリームの開発も手がけ身体にも心にも優しいアイスクリームを日々提供している。その他、”sacai GASTRO”期間限定カフェでのアイスク リームメニューの担当や、NETFLIXシリーズ”STRANGER THINGS“とのコラボレーションなど、様々な注目度の高いコラボレーションやポップアップイベントからオファー多数。元スタイリストならではの独自の世界観が多くのアイスクリームフリークから支持を得ている。

Harlow ICE CREAM オフィシャルサイト 

https://www.harlow-icecream.com/