ERな人 VOL.17 松木 真寿美(STEPSバイヤー / ショップマネージャー)

 ERな人 VOL.17 松木 真寿美(STEPSバイヤー / ショップマネージャー)

photo, text, edit by NAOKI KUZE

 

1906に創業したアメリカンワークワークブランド”SMITH’S AMERICAN”(以下スミス)。1970年台に日本で流 通するとリアルワーカーからアメカジフリークまで、ジャンルレスに様々な人々に愛され続けてきたブランド です。そんなスミスを現代で活躍する”ERな人”に仕事やライフスタイルを通して着こなしてもらい、スミスの 魅力を語っていただきます。

 

 

ーバイヤーになった経緯を教えてください。

松木 真寿美 (以下 松木): 2016年にステップスに入社しまして、ショップスタッフを経てバイヤー になって3年で、今年で4年目になります。私たちのお店はカップルやご夫婦のご来店が多いので すが、私がバイヤーになるまではメンズのアイテムがメインのセレクトで、そのメンズアイテムを サイズダウンしたラインナップをユニセックスでご提案していました。そこで社長が女性の方のご 来店も多いのであれば改めて女性のお客様に対してもアプローチできるバイイングを追加していく べきなのでは?という会社の方針もありレディースバイヤーを新たに設けることになったらしく て、その際に私を指名していただいたのがバイヤーになるきっかけでした。

ー元々バイヤーになりたいと希望されていたんですか?

松木: いや、全然です()!突然社長からバイヤーにならないかって言われてビックリしたんです けど、めちゃくちゃ嬉しかったのですぐに「やります!」ってご返答させていただきました。将

来的に自分で選んだアイテムを販売するっていうのはやってみたいなと思ってはいたものの、 ショップでの業務が好きでとても楽しくやらせていただいていたので、自分としては思いもよらぬ タイミングで白羽の矢を立てていただきました。

 

 

 

ー思いがけず夢が叶ってしまったんですね。バイヤーに指名された理由は聞かれましたか?

松木: もちろん聞きました。すると社長からは、今までのステップスには無いこだわりを持った コーディネートでショップに立っていたことを評価してくださっていたみたいで。私自身も人と被 るのがあまり好きでは無いので、自分自身のスタイルを大事にしていきたいと思ってやってきてい たので、そういったところを評価してくださったのがとっても嬉しかったです。

ーバイヤーになってみて実際に活動してみていかがでしたか?

松木: 正直全部楽しいんです。そしてたくさん洋服を見ることが出来るのが楽しいのはもちろんな んですけど、私はこの吉祥寺店のショップマネージャーも兼務していまして、土日は店頭に立って

お客様と直接コミュニケーションが取れるんですね。そのタイミングが一番楽しいと感じていま すね。

 

平日は取引先との商談や展示会周りなど、ショップの近くにある事務所にてバイヤー業務をこなし多忙な日々を過ごしている。

 

ーなるほど。一般的なバイヤーだとバイイングした商品をバイヤー自ら接客できる機会が少ないですよね。

松木: お客様がそれを求めているかは分かりませんが、バイイングしたアイテムやご提案に対して 共感してもらえることが少しずつ増えていってそれがどんどんやりがいになっているんですよね。 最初にバイヤーになった時は勢いで楽しかったのが、だんだんその楽しさの深みが増していってま すね。初めは「ステップスならこうあるべきなんじゃないか?」っていうスタンスでバイイングを していたんですけど、だんだんその中でも自分の世界観も注入しつつバイイングができるように なってきたのでよりショップでお客様にご提案するのが楽しくなっていってるんです。実際にバイ イングする時に特定のお客様の顔を浮かべながらオーダーをつけることもありますし。

 

ーでは、その反面としてバイヤーをしていて辛いと感じることはありますか?

松木: アパレルのあるあるだとは思うのですが、やっぱり自分が「これは可愛い」っと思って仕 入れたアイテムがショップだと反応がイマイチだったなっていう瞬間はバイイングの宿命でもある とは思うんですけどやっぱり辛いですよね。でも私の場合は幸いにもショップに立ってアイテムの 隠れた魅力さえも直接お客様に伝えることで精度を高めることが出来る環境があるので、そこは 私がバイヤーとして活動している中でも強みだとも思っています。そして私は辛いと思う時ほどや る気がみなぎるタイプの人間です()

 

 

ショップの開店前は丁寧に店内清掃し、商品のブラッシングなども松木さん自ら入念に行う。

 

 

ーお仕事をする上での必需品を紹介してください。

松木: 誰もが持っているものだとは思うのですが、私の場合は手帳と展示会などで写真を撮るので スマートフォンとボールペンです。あとは名刺ですね。手帳は「仕事を頑張ろう」って自身を鼓舞 するために 2021年にエルメスのレザーの手帳を購入して愛用しています。レザーの質感も本当 に上質で仕事の相棒としても長く付き合っていけると思って。ただレフィルはエルメス専用の規格 のものしか使えないので毎年レフィルだけでも普通の手帳と比べて出費しないといけないのです が、私の場合はその分やる気にも繋がっています。仕事だけでなく休みの日も持ち歩くのでサイズ は小さめのものをチョイスしました。ボールペンは以前はラミーを使用していたのですが、今は 書きやすくて手頃な価格帯なのと、カラバリも豊富なのでビックを使用することが多いですね。

 

普段から仕事でPCやスマートフォンを使用するが、スケジュール管理やメモなどは全てアナログで管理しているのが松木さんのスタイル。

 

ーお休みの日はどのように過ごされていますか?

松木: 5年ほどルーティーンとして継続して取り組んでいるんですが、週に一度の頻度で朝にピラ ティスに通っています。その前はジムに入会してみたこともあったんですがその時のモチベーショ ンに左右されて結局行かなくなってしまって。でもピラティスは先生とマンツーマンでレッスンを 行うので、先生と予約というか約束をしてレッスンをしていただいているので「絶対行かな きゃ」ってなるので今まで続けることが出来てます。そしてピラティスが終わったらおうちに着替 えに帰るのですが、私は家で籠っていられないタイプなのと、私は絵を描くとか、カメラで写真 を撮るみたいな趣味がないので、ひたすら高田純次さんみたいに散歩に出かけるっていう休日を過ごしてますね()。あてが無くても、とにかく外に出て散歩に出るようにしてますね。あても無 く出かけた時に降り立った駅に着いたら、グーグルマップを開いてリストに入れていた行ってみた いと思っていたカフェやお店などが近くにあればそういった場所を巡ったりもしています。あと以 前に社長からオススメされたカーサ ブルータスのモダニズム建築の特集号があるんですが、この 特集号で掲載されている建築物がとても素敵で、実際に足を運んで建築物を観に行って、スマート フォンのカメラではありますが写真に収めたりすることは好きですね。さっき趣味は無いって 言ったんですけど建物や橋などの建造物を観るのは結構好きですね。

 

散歩ではなく旅行で訪れた場所になるが松木さんの最もオススメの建造物は1958年に丹下健三によって建築された香川県庁。

 

ー最後に今後の展望について教えてください。

松木: 海外に行く機会を増やせたらなと思っています。バイヤーとして日本にまだ出回っていない ブランドやアイテムを私のフィルターを通してお店でお客様にご提案を出来る機会をもっともっと 増やして行けたら面白いなと思っています。やっぱり現地で直接カルチャーに触れることで色々 な気づきもあると思いますし、独自性のあるバイイングが出来たら今よりさらにカッコ良くなれ ると思っているんです。今後も仕事も楽しみながらたくさん挑戦を続けていきたいです。

 

ミリタリージャケット(古着) / カットソー(シンゾーン) / デニムペインターパンツ (スミス) ¥29,700 / ベースボールキャップ (シティライツ ブックストア) / ネックレス (ナバホ) / スニーカー (コンバース) / ベルト (シンゾーン)

 

 

 

松木 真寿美 @matsukitchen

STEPSバイヤー / ショップマネージャー

2016年株式会社STEPSに入社。2019年よりバイヤーとショップマネージャーを兼務。 「唯一無二の存在いること」を信条に、平日はバイイング業務、週末は店頭での接客をこよなく 愛するオールラウンダー。好きな食べ物はあんこ。鰻屋の孫だが鰻を食べるのは苦手。