ERな人 in LA #2 : Motoyuki Tanaka "Moko" (PRE_Los Angeles designer )

ERな人 in LA #2  : Motoyuki Tanaka “Moko” (PRE_Los Angeles designer)

 SMITH’ S AMERICAN のオリジナルウェブコンテンツ “ER な人”のLAシリーズ。 フォトグラファーの田中凛太郎氏をホストに、 LA を拠点に活躍される様々なプロフェッショナルにフォーカスしそのライフスタイルに迫るコンテンツです。第2段では、LA ダウンタウンをベースに”PRE_Los Angeles” “MOEK” “M.I.S”などを展開するOKADO DIFFERENCE INC.よりデザイナーのMotoyuki Tanaka “Moko”さんに会いにLAダウンタウンにあるアートヴィレッジ内のオフィスを訪ねました。

 

 

元ビール工場だという建物を区分けし、アーティストやデザイナーなどのクリエイターに貸し出している アートヴィレッジは、少し歩けば作品?に遭遇する不思議な空間。

 

- MokoさんがLAに住む事になった経緯やこれまでのご活動を教えて下さい。

 LAに移り住む前に、アメリカの古着を使ったリメイクのブランド ANDEMの企画・製作・生産を担当していました。その中で、様々なヴィンテージの洋服や生地に触れて、その魅力を知ったんです。特にアメリカのヴィンテージカルチャーに興味を持ったので、新しい事に挑戦したいと思ったのが、渡米の大きな理由の1 つですね。アメリカに来てからは、PRE_Los Angelesのデザイナー兼パタンナーとして、企画と生産を担当しています。今でこそアップサイクル” ”サスティナブルが注目されていると思いますが、この10年間、この考え方は、自分のスタイルの表現方法の主流になっています。

PRE_Los Angelesはアメリカ人の生活を支えてきたユニフォームやワークウエアなどの大量生産された産物 (既製品)を一度解体、裁断し、洗練されたデザインとともに再構築し新しいプロダクツを生み出すブランドです。本来の物の良さを最大限に引き出し、時代にあった物作りの提案をしています。まず最初に、トレンドにあった素材(ボディ)選びからスタートします。素材にするのはベーシックなアイテムなので、それを活かしていかに元のフォルムやイメージを保ちつつ、ユニークなアイテムにするかを考えます。ここまではチームでやっています。チームで練った案を形にするための、型紙製作やサンプル製作を僕が担当しています。ベースとなるアイディアがある中、自分の感覚でパターンをひいたり、縫い代の処理や仕様を考えたりしながら、洋服そのもの・実物を形にできる喜びや面白さにやりがいを感じています。

 パターンの作成からサンプルの縫製までをアトリエでこなすという。

 

-LAでの生活はいかがですか?

スローで平穏な生活がとてもしっくりきています。古着と家具が好きなので週末は天気が良ければ、フリマに遊びに行ったり出店したりしています。友人と過ごす時間も、ものすごい重要なので、持ち寄りでホームパーティーなどを楽しんでいます。聞こえはアメリカっぽいですが、昼から宅飲みしてるだけです笑 アメリカに来て8年近く経つのですが、ピザやハンバーガーよりも、日本食ばかり食べていますね。LAはアメリカで一番日本食が充実しているので助かっています。でも、日本のお店の60%くらいのクオリティー に、2~3倍以上の値段を払わなくてはいけないので、料理にはまっています。最近のブームは、白米を鉄の釡で炊くことです。ものすごく美味しいです

 

 

 

-オフィスのあるアートヴィレッジも凄いですね、刺激が溢れていそうです。

こんなに、もの作りに適したコミュニティはないと思います。アートやもの作りに携わっている自由な人たちが集まっていて、普段何をしているかわからないような人もいたり、昼からマリファナを吸っている人もいれば、もの作りに熱中している人もいます。彼らはみんな、自分の作品や自分のスタジオを見せるのが大 好きで、もの作りへのパッションを感じることが多く、刺激になっています。

 

既製品のブランクボディーのTシャツからREMADEされた PRE_Los Angelesmのコレクション

 

-“PRE_Los Angeles”について聞かせて下さい。


前述したようにPRE_Los Angelesはアメリカ人の生活を支えてきたユニフォームやワークウエアなどの大量生産された産物(既製品)を一度解体、裁断し、洗練されたデザインとともに再構築し新しいプロダクツを生み出すブランドです。本来の物の良さを最大限に引き出し、時代にあった物作りの提案をしています。 最近は、様々な外部ディレクターと組んで新しいラインを製作・発表し、日本で販売しています。ロサンゼルスに住むアメリカ人にも気に入ってもらって、購入してもらうことも増えました。

 

MOEKのラインナップ

日本でもお馴染みのMade in USAのバッグブランド MISOKADO DIFFERENCES INC が展開している。

 

-最後にMokoさんの今後の活動や挑戦したい事など教えて下さい。

 

仕事では、PRE_Los Angelesに加え、3年前からはMOEKという、現地アメリカ人向けのブランドも立ち上げ、展開しています。ヴィンテージのテーブルクロスやアメリカ軍が使っているコートや洗濯バッグなどの素材を活用して、1点ものの洋服を作っています。アメリカ、特にカリフォルニアでは、リサイクル生地を作っている研究所や企業が増えてきました。今後は、彼らと組んで、自分のデザインやパターンメイキング のスキルや経験をいかして、もの作りをしていきたいです。

 

 

 

 

Motoyuki Tanaka “Moko” / 田中基之

1986年神奈川県横浜市育ち。2009年ドレスメーカー学院卒業後、ISSEI MIYAKEでパターンナーアシスタントを経験し、リメイクブランドANDEMやその他ブランドの企画・生産に従事。2016年アメリカロサンゼルスに移住。2017年にPRE_Los Angelesを立ち上げ、これまでUNITED ARROWS、伊勢丹、APスタジオ、BEAMS等、百貨店やセレクトショップにて販売。2020年から、MOEKをスタート。JuiceFred Segalなど現地のアパレルショップで販売。

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Motoyuki Tanaka @motoyukitanaka_