Smith's Notes #2 : Les Halles の話
Smith's Americanの新定番として、色展開も豊富に展開している Les Hallesのペインターパンツ。そのレアールのネーミングは、パリの"レアール地区"に由来しています。
どうしてアメリカのワークウェアブランドがパリなのか?
それは、Smith's の創業家のオーナーであるレニーさんから聞いた思い出話の中から始まり...
1970年代の初め、フランスのUplaというセレクトショップのオーナーがニューヨークを訪れ、オーバーダイ(製品染め)のカラーペインターパンツをオーダーしてきたそうです...
今で言えばそこまで驚く事ではないですが、"ワークウェア = 作業着"的な意味合いが強い当時としては画期的な話で、半信半疑ながらも鮮やかなカラーで染め分けしたペインターパンツを製作しパリに送ったそうです...
当時に近い70年代のSmith'sのペインターパンツ。細めのシルエットと製品染めによる深みのあるカラーが今なお新鮮に見えます。
結果として、フレンチアイビーやチープシック的なファッションのアイコンの一つとして、アメリカ由来の細めのカラーペインターは広く受け入れられヨーロッパ全土に広がり、ヨーロッパ経由で日本にまで辿り着き、ブランドの代名詞的な存在となりました...
そんなヒストリーもあり、業界の大先輩方から聞く話の多くはやはり、
スミス = フレンチという事。
"アメリカ産まれフランス育ち"的なストーリーや、そのセレクトショップに敬意を込めつつ、当時そのショップがあったエリアである"レアール"をライン名としています...
レアールのペインターパンツは、そんなブランドストーリーに倣って全てガーメントダイ(製品染め)にて仕上げています。ガーメントダイの魅力は、その色の深みや着用の経年変化によるフェード感で...
着慣らして色落ちしたカラーパンツを上品に合わせて欲しい!というのはブランドコンセプトでもある"Cheap, Chic & Colors"とも通じており...
テーパードの効いたシルエットや、ペインターパンツと言えばの脇の3本ステッチは敢えてなくし、すっきりとした印象 & 他のワークペインターとは違ったブランドヒストリーを表現しています...
1978年のブランド資料でも、その"COLOR”の部分は既に存在しており、ブランドのアイデンティティーの一つとなっています。